今日、九州までアフガニスタンに多大なる貢献をされた中村哲先生の追悼式に参列してきました。非業の死を遂げられてもう1年も経つのですね!今までのペシャワール会での中村先生の歩みを映像で見ましたが、改めて功績の凄さと国際協力のあるべき姿を強く思いました。医療だけでは、貧困による飢えや病を治すことができないと思われ、アフガニスタン人に農業を行えるよう灌漑事業を立ち上げ遂行されます。最初は、地下水を組み上げる井戸づくりに取り掛かりますが、温暖化の影響もあるせいでしょうか、地下水が枯れてしまいます。次に最大河川のクナール川から用水路を引くことを決断します。誰しもが無理と思っていたそうです。手掘りでスタート、コンクリートも電気もないことより、用水路の護岸には、蛇かごと言われる金網の中に石を入れ、用水路の取り込み口には、出身福岡で江戸時代から使われている山田堰を参考に計25kmに及ぶ用水路を完成、10万人が農業に従事することができたそうです。その技術をアフガニスタン人にも伝授し、自分たちで生活の糧を得るようにも指導されていました。口癖は、「家族が一緒に、腹いっぱい3食のご飯が食べれることが幸せである」と言っておられたそうです。9.11同時多発テロの後、アフガニスタンにテロ掃討作戦で空爆が繰り返される中でも帰国せず、武力解決よりももっと大切なものをアフガニスタン人に提供し続けます。インタビューされた人が、「仕事で忙しかったら、戦争なんて行かない」と言っていました。パキスタンでテロに襲われ、瀕死の重傷をマララさんも同じようなことを言っていました。「1人の子ども、1人の教師、1本のペン、そして1冊の本、それが世界を変えられます。教育こそがただひとつの解決策なのです。教育こそ第一」中国に国際協力の資金力で負けていても、日本がもっと大切なもの、本来必要とされている協力はいくらでもあるような気がしました。追悼式でアフガニスタンの大統領からのメッセージ、涙ながらに追悼されるメッセージを読まれていたアフガニスタン大使、そしてペシャワール会で働いておられる現地のスタッフのメッセージに目頭が熱くなりました。中村先生の娘様も遺体を引き取りにアフガニスタンに行った時、現地の人の声かけに日本では想像もつかないぐらいだったと言われていました。今では、アフガニスタンの教科書にも出ているそうです。中村先生の意志は、確実に引き継がれていると思います。拝金主義、AIによる効率化で失ったものが大きいと改めて感じて帰途に付きました。
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