昨日、知床での沈没船についての運輸安全委員会からの経過報告が発表されました。僕が驚いたのは、恐らく平時だと大した事でないと済まされるような問題点が、1つの事をきっかけにこれほどの大惨事になるということです。まず船首の荷物の出し入れのためのハッチが閉まらない状況になっていた。そこから大量の海水が流入し前方に傾き、更に波によりハッチがもげて操縦前方のガラスに当たり割れて、さらなる海水流入、かつ船底の隔壁が壊れていたため、急速に船底全体に浸水しあっという間に沈没に至った。あとから考えれば、もちろん出航取りやめ、折り返し地点での避難、緊急時の連絡方法など取るべき手段がたくさんあったと思われます。ただ船底との荷物の出し入れの扉が、経年劣化で締まりにくくなっている事など日常生活でもありえそうな一見ささいな不具合が、次々と不幸の連鎖反応によりこれだけの大惨事になるという事、あらためて危機管理の重要性を警告を発しています。医療の現場でもしかりです。問題には大小がなく、早急に対応する、不具合は放置しない、徹底的に追求するなど多くの教訓を、この事件は与えているのではないでしょうか!